北九州女性遺棄 容疑で夫を逮捕、殺害もほのめかす

北九州市門司区の海岸で女性の遺体が見つかった事件で、福岡県警は20日、遺体を海に遺棄したとして、福岡県宗像市桜1、会社員、種子田(たねだ)博樹容疑者(47)を死体遺棄容疑で緊急逮捕した。県警は遺体の歯型などから、女性を種子田容疑者の妻で看護師の朋美さん(42)と断定した。

 県警によると、種子田容疑者は「自宅で死んだ妻を海岸に遺棄した」と容疑を認めているという。捜査関係者によると、種子田容疑者は朋美さんの殺害についてもほのめかす供述をしているといい、県警は種子田容疑者が朋美さんを別の場所で殺害して海に遺棄したとみて、殺人容疑での立件を念頭に追及する。

 逮捕容疑は、14日、北九州市門司区太刀浦(たちのうら)海岸付近の岸壁で朋美さんの遺体を捨てたとしている。

 県警によると、種子田容疑者は19日朝、北九州市小倉南区のダム付近に止めた車の中で意識がもうろうとした状態でいるところを通行人が見つけた。睡眠薬十数錠を飲んでいたという。通報を受けた県警が種子田容疑者を任意同行して事情を聴いたところ、朋美さんの遺体を遺棄したことを認め、殺害への関与もほのめかしたという。

 種子田容疑者は16日、朋美さんについて県警宗像署に「13日午後9時半ごろに姿を見たのを最後にいなくなった」として行方不明者届を出していた。

 朋美さんが約15年前から勤務する宗像市内の病院によると、朋美さんが最後に出勤したのは13日の土曜日。連休明けの16日は出勤予定だったが、出勤しなかったという。種子田容疑者が18日に病院を訪れ「離婚に向けた話し合いをしている。ご迷惑をおかけしています」と説明したという。

 種子田容疑者は地元のソフトボールチームに所属していたといい、同じチームの女性(26)は「明るくて優しいムードメーカー的存在。奥さんも時々手伝いに来ていたが争う姿は見たことがない」と話した。

 朋美さんの遺体は18日午前6時ごろ、太刀浦海岸で釣りをしていた男性(61)が、岸壁から約5メートル先の海に浮いているのを見つけた。両手首と両足首をそれぞれ縛られていたうえ、コンクリートの重りが一つずつつけられていた。頭には黒色のビニール袋がかぶせられていた。朋美さんが水を飲んでいないことなどから、県警は朋美さんは殺害された後に縛られて海に投げ込まれたとみている。