東電が管理職に一律10万円支給 退職者急増でつなぎとめ

東京電力は19日、課長級以上の管理職に対し、今月22日の給料日に1人10万円の一時金を支給する方針を固めた。対象は約5千人で、総額約5億円。実質国有化された東電では一般職に比べ給与の削減幅が大きい管理職の退職が急増しており、人材をつなぎとめなければ今後の経営再建に支障がでるとの危機感が背景にある。

 平成24年度のコスト削減額が当初の目標を約1400億円上回ったため、この一部を臨時支給に充てる。

 東電では福島第1原発事故後、管理職の給与を3割削減した。一般職の削減幅は2割に留まり、残業手当なども付くため、一部では管理職と一般職で給与の逆転現象が起きている。

 24年度の自主退職者712人のうち管理職やその候補者は約4割を占めた。22年度は約2割で、管理職の流出が加速している。

 東電幹部は「一度きりの臨時支給で退職を思いとどまってくれるかは分からない。ただ、努力に少しでも報いたい」としている。