ソフトバンクをジャンク級に格下げ−ムーディーズ

7月18日(ブルームバーグ):  米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは18日、ソフトバンクの発行体格付けを投機的水準(ジャンク級)に引き下げたと発表した。同社が米スプリント社の買収を完了したことを受けた措置。

格付けはジャンク級の最上位となる「Ba1」とし、従来の「Baa3」から1段階引き下げられた。見通しは安定的。

ソフトバンクは10日、米携帯電話3位スプリント株の78%を総額216億ドル(会社発表で約1兆8000億円)で取得し、子会社化した。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)もすでに同社の長期格付けをジャンク級に引き下げている。

ムーディーズは格下げの理由として、ソフトバンクがスプリントに設備投資などで「追加的な財務支援を提供する必要が生じる可能性がある」と指摘。またスプリントの業績についても、2015年12月期末までにプラスのフリーキャッシュフローを創出できるかについて懸念を表明した。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、ソフトバンクの債務が増加したことを受け、「それに見合ったレーティングに変更された」と分析。ソフトバンクには国内の収益力があるため、格付けが「これ以上、悪化することは考えにくい」と述べた。