ドコモ「ツートップ」でシャープ苦戦 4〜6月期の営業赤字70〜80億円

シャープの平成25年4〜6月期の連結決算で、本業のもうけを示す営業損益が70〜80億円の赤字見通しになったことが18日分かった。

 この時期は例年、主な家電の需要が落ち込むことから、同社は5月に公表した中期経営計画では、数十億〜百数十億円の営業赤字としていた。

 この4−6月期決算は8月1日に発表する予定。

 関係者によると、円安で太陽電池事業の採算が改善したが、NTTドコモが、ソニーと韓国サムスン電子製のスマートフォン(高機能携帯電話)を大幅に値引きする「ツートップ戦略」により、携帯電話の販売が振るわなかったもようだ。

 最終損益の赤字額は前年同期の1384億円から数百億円へ大幅に圧縮される見込み。25年3月期に設備の評価減や減損処理を実施した効果が出ることになる。

 24年4〜6月期の営業赤字は、液晶テレビの売れ行きが落ち込み、工場稼働率が低迷したことなどから941億円に膨らんだ。今年は円安で液晶パネルの競争力が相対的に向上したほか、資本業務提携したサムスンなどの大口納入先が確保されたため、亀山第2工場(三重県亀山市)の稼働率は80%程度まで上がった。

 シャープが5月に発表した業績予想では、25年4〜9月期(中間期)は営業黒字150億円、最終損益は200億円の赤字を見込み、26年3月期通期では50億円の最終利益を予想している。