制汗剤、選び間違うと逆効果 臭い抑えるポイントは耳

20130715-00000021-asahi-000-1-viewじっとしていても汗が噴き出す季節。シミも臭いも気になる汗はエチケットの大敵。制汗剤(デオドラント)を塗りたくる人もいるだろう。でも、間違った使い方で、さらに臭いを悪化させていたとしたら――。自分に合う制汗剤の選び方、使い方を探った。

 制汗剤はスプレータイプが中心だったが、ここ数年は直塗りタイプが人気だ。

 横浜ロフト(横浜市)で最も人気があるのが直塗りに特化した「デオナチュレ」(シービック)。この4年で売り上げは1・5倍になった。リップスティックのように本体を回せば、ニュッと中身が出て、それをワキに塗る。ボディーケア担当の皆川友里さんは「肌に直接塗るので効果が長時間持続します」。

 直塗りといっても液体タイプもあり、他にスプレーやクリーム、ジェル、シートなど棚には迷うほどの制汗剤が並ぶ。どれが自分にぴったりの1本なのだろう。

 ワキガや体臭、多汗の専門医、五味常明さんは「タイプは様々でも、制汗剤の役割は大きく二つ。制汗と抗菌です。体臭の強さに応じて、抗菌成分が自分に合った製品を選びましょう」。

 まずは体臭の強さの自己判定を。綿棒で耳あかを取り、湿り具合で判断する。キャラメルが溶けたような耳あかなら、体臭が強い傾向があると考えられる。湿った状態ならば軽〜中程度。乾燥していれば、非ワキガ体質といえる。

 ワキガ体質でない人は、植物エキスを配合したシートタイプで拭くだけで臭いは十分抑えられる。

 軽〜中程度ならば、フェノールなど穏やかな抗菌剤が配合されたスプレータイプやアルコールが含まれたシートで除菌してから、植物性の制汗スプレーで汗を抑えれば十分だ。

 強度の人は、殺菌作用の強い塩化ベンザルコニウムなどの入ったもので、直塗りを選ぶ。銀配合も殺菌効果が長く持続するという。

 注意したいのは、軽度の体臭やワキガでない人が強い殺菌作用の製品を使うこと。通常は表皮ブドウ球菌という常在菌が別の強い菌の繁殖を防いでいるが、殺菌成分の強いものを使い滅菌状態が続くと、黄色ブドウ球菌など強い菌が繁殖する可能性がある。これでは逆効果。今まで以上に臭いが強くなってしまう。