米国 黒人少年射殺で無罪評決 各地で抗議デモ

20130715-00000000-mai-000-3-view米南部フロリダ州サンフォードで2012年、黒人の高校生の少年が自警団の男に射殺された事件で、サンフォードの裁判所の陪審員は13日、殺人罪に問われた男の正当防衛の主張を認め、無罪の評決をした。評決後、全米各地で抗議デモが起きており、今後、米国社会に根強く残る人種差別を巡って議論が再燃しそうだ。

事件はサンフォードの住宅街で12年2月26日夜、当時17歳のトレイボン・マーティン君がコンビニエンスストアで買い物をし、知人宅に戻る途中に発生。

 不審者とみなした自警団団長でヒスパニック系白人のジョージ・ジマーマン被告(29)ともみ合いになった末、被告が持っていた拳銃でマーティン君の胸を撃ち、死亡させた。

 事件直後、被告は警察に銃で撃ったことは認めたが、正当防衛を主張。警察もこれを受け入れて逮捕しなかったことで「人種差別」との抗議デモが全米各地に拡大した。

 これに押されるように州司法当局が12年4月11日、第2級(計画性の薄い)殺人罪で起訴。先月始まった公判も注目を集めていた。

 公判で検察側は、ジマーマン被告がマーティン君を見た目で不審者と決めつけているとし、「撃ちたいから撃った」と故意性を主張したが、陪審員はこれを認めなかった。

 AP通信によると、無罪評決後にカリフォルニア州の3都市などで抗議集会が発生。オークランドでは地元新聞社ビルの窓が割られたり、米国旗が燃やされたりしたが、逮捕者は出ていない模様だ。