平山郁夫氏 妻が遺産隠し 現金2億円

20130713-00000020-yom-000-1-view2009年12月に79歳で亡くなった日本画家で文化勲章受章者の平山郁夫氏の妻が、東京国税局の税務調査を受け、相続遺産約3億円の申告漏れを指摘されたことが分かった。このうち自宅で見つかった現金約2億円については意図的な遺産隠しと判断された模様で、重加算税などを含む追徴税額は約1億5000万円に上るとみられる。既に修正申告したという。

 関係者によると、平山氏の遺産について、妻は10年、神奈川県鎌倉市の自宅の相続などを税務申告した。しかし、その後の税務調査で、平山氏が残したとみられる現金約2億円が自宅にあったにもかかわらず、申告から除外していたことが発覚。国税当局は妻が申告時に現金の存在を認識していたとみて、隠蔽(いんぺい)行為と判断した模様だ。

 これとは別に、平山氏の作品の著作権を巡り、評価額が過少だったとして約1億円の申告漏れも指摘されたという。ただ、平山氏の遺産のうち9億円超に相当する美術品やアトリエに使われた土地・建物など計約11億4000万円分は、妻が代表理事を務める公益財団法人「平山郁夫シルクロード美術館」に寄付され、非課税となった。

 平山氏は広島県生まれ。1953年に日本美術院展(院展)に初入選し、以後、院展で受賞を重ね、日本美術界をリードした。シルクロードを取材した作品で知られる。