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働く意味 自問自答できる場を

長男が通う中学校では年に1回、1年生を対象にした「働(ハタラ)クエスト」というキャリア教育を実施している。父母らが中心となって準備を進めて本番の講師を務め、働くことの意義、大切さについて理解を促すのが目的だ。昨年度は金融、IT(情報技術)、マスコミ、ベンチャーなど幅広い業種から26人が集まり、1グループ当たり5〜10人の生徒に向けて30分×2コマの“授業”を行った。

 日本の大学生の就職活動をみると、当初は大手や知名度が高い企業を狙うのが一般的な流れ。当然ながら門は狭く、不合格が続いて初めて中小・ベンチャー企業に関心を抱く傾向が強い。

 しかし準備不足がたたり、「どこを訪問すればよいのか…」と路頭に迷ってしまうのが現状。結果として、4人に1人は就職が決定しないという雇用のミスマッチが深刻化している。

 こうした事態が改善しない理由の一つとして、中学時代のキャリア教育が十分に機能していない点を指摘したい。働クエストでは感想文の提出を求めるが、講師の話を通じ、仕事のあり方に真剣に対峙(たいじ)した形跡が文章から伝わってくる。中学生は感受性が特に強い世代。働く意味を自問自答できる場を提供していけば、自分の将来を真剣に考える習慣が身につき、ミスマッチは徐々に解消していくのではないか。

 先日、有給インターンシップの求人メディアを運営するアイタンクジャパンが催した「ベンチャー大学」で、ディー・エヌ・エー創業者の南場智子さんが150人の大学生を前に「世界に通用するリーダーになるためにも、人生の歩み方をしっかりと考え、納得する道を歩んでほしい」と訴えていた。これこそ、働クエストが目指す本分。私自身は今年、運営側のスタッフを務める。準備はこれからが山場だ。(伊藤俊祐)