党首成り済ましツイッター相次ぐ 本人には認証マーク、確認を

インターネットを使った選挙運動が解禁される参院選の公示を前に、与野党党首の成り済ましとみられるツイッターが複数、ネット上に存在していることが3日、分かった。安倍晋三首相(自民党総裁)の成り済ましツイッターでは、写真や「安倍晋三の公式ツイッターです」とのプロフィルの記載も同じ。選挙期間中(公示後)の成り済ましは刑事罰に問われる可能性も高く、チェックを進めている陣営もある。

 首相の成り済ましツイッターのうち1件は、首相の公式ツイッターと同じ写真を使い、プロフィルに「安倍晋三の公式ツイッターです」と記載。ユーザー名は「@Abeshinso」で、本人の「@AbeShinzo」の「S」を小文字にし、「z」を「s」に変えただけだった。つぶやきは冗談めいたもので、偽物とすぐわかる内容になっている。

 運営会社の日本法人ツイッタージャパン(東京)は著名人の成り済ましを防ぐため、本人のツイッターに青色の認証マークを付けている。参院選の候補者にもマークを付ける作業を進めており「本人かどうかしっかり確認してほしい」と注意を呼び掛けている。

 このほか、共同通信によると、生活の党の小沢一郎代表や日本維新の会の橋下徹共同代表、石原慎太郎共同代表、民主党の海江田万里代表と社民党の福島瑞穂党首になりすましたツイッターがあった。

 橋下徹(大阪市長)と石原慎太郎氏の共同代表を抱える日本維新の会も、成り済ましとみられるツイッターを複数確認。共同通信によると橋下氏の成り済ましの中には、本人の写真を使用し、従軍慰安婦問題についてつぶやいているものもあったという。

 現在のところ、ツイッタージャパンにアカウントの凍結を求めるなど、措置は講じていないが、維新の担当者は「参院選の公示後は適宜チェックし、選挙に影響するようなひどい内容のツイッターについては、適切に対応していかなければならない」としている。

 ネット選挙運動を解禁した改正公選法は、ネット上での候補者成り済ましを禁じており、違反すると2年以下の禁錮または30万円以下の罰金が科せられ、選挙権と被選挙権も停止される。