スターバックス、コーヒー専門店の枠超えるか

コーヒーチェーン大手の米スターバックスは次世代のソーダファウンテン(清涼飲料水や軽食を提供する店やカウンター)になれるだろうか。

 同社は単なるコーヒー専門店にとどまらない存在だとアピールしており、ジョージア州アトランタやテキサス州オースティンの店舗で手作りの炭酸飲料を試験的に販売している。

 炭酸水製造機で作られるこの新製品には、レモンエール、スパイス入りルートビア(アルコールを含まない炭酸飲料)、ジンジャーエールなどがある。

 アトランタを拠点とするRBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ラリー・ミラー氏がアトランタのある店舗を訪問したところ、炭酸飲料のトールサイズが2.45ドル(約240円)、グランデが2.95ドル、ベンティが3.45ドルで販売されていた。スターバックスによると、価格は地域によって異なる。

 アトランタとオースティンでの試験販売は6月25日に始まった。これに先立ち、同社の本拠地シアトルでは4月に小規模な試験販売が行われていた。

 この動きは、コーヒー専門店の枠を超えようとする同社の取り組みの一環だ。同社は2011年初頭、ロゴから「Starbucks Coffee」の文字を取り去った。その年には、ジュースメーカーのエボリューション・フレッシュを3000万ドルで買収することで合意し、コーヒー以外への参入で大きく前進した。昨年は茶葉販売のティーバナ・ホールディングスを現金6億2000万ドルで買収することで合意した。これは同社にとって過去最大規模の買収だ。同じく昨年にはパン販売店「La Boulange」を擁するベイ・ブレッド(サンフランシスコ)も買収した。このほか、スーパーマーケット向け商品の種類も増やしている。

 スターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)は、炭酸飲料の新たな提供が中核のコーヒー事業の低迷を意味するわけではないと説明している。

 前出のミラー氏は、炭酸飲料を追加する取り組みには、オフピーク時、とりわけ午後の来店客を増やそうとする狙いがあるようだと話す。スターバックスはまた、午後の顧客を増やす取り組みとして、ポテトチップス、サラダ、それにサンドイッチの取り扱いを始めている。

 スターバックスの広報担当者は、今後アトランタとオースティン以外の店舗でも炭酸飲料が提供されるかについて述べるには時期尚早だとしたうえで、「この新製品がどれほど顧客の日常生活に溶け込むかを理解すること」に関心を持っていると述べた。