「検察の鬼」吉永祐介氏が死去 ロッキード、リクルート事件など捜査

20130628-00000019-jijp-000-1-view戦後最大の疑獄事件といわれたロッキード事件やリクルート事件など政財界を震撼(しんかん)させた数々の事件の捜査を手掛け、「検察の鬼」と呼ばれた元検事総長の吉永祐介氏が23日午前6時15分、肺炎のため東京都内の病院で死去していたことが28日分かった。81歳だった。岡山市出身。葬儀は近親者で済ませた。

 吉永氏は昭和30年に検事任官。日通事件など、戦後の著名な疑獄事件の捜査に携わった。故田中角栄元首相が逮捕された昭和51年のロッキード事件では、東京地検特捜部副部長として主任検事を務め、故田中元首相らを受託収賄などの罪で起訴した。

 東京地検特捜部長に就任後はダグラス・グラマン事件の捜査を手掛け、東京地検検事正の時にはリクルート事件の捜査を指揮。受託収賄罪で藤波孝生元官房長官を在宅起訴するなどした。

 広島、大阪、東京の各高検検事長などを経て、平成5年に検事総長に就任。特捜部はゼネコン汚職や2信組事件の捜査を手掛け、オウム真理教による一連の事件の捜査も指揮した。

 検事人生約40年間のうち、東京地検特捜部の在籍は約14年に及んだ。平成8年に退官後、弁護士として活動していた。