生活保護費を渡さず栄養失調に 平塚市、男性に謝罪

神奈川県平塚市のケースワーカーが昨年10月、40代の男性の生活保護費を2カ月間渡さず、その後に男性が病院に運ばれていたことが支援団体の話などで分かった。平塚市は事実を認め、4月に男性に謝罪。神奈川県は「明らかな法令違反」として再発防止を指導した。

 平塚市によると、男性への生活保護費支給は2011年5月に開始。昨年10月分の支給日にケースワーカー(43)が厳しく就労指導をしたところ、男性自らが保護費を受け取らずに帰った。11月分は男性が受け取りに来なかった。12月初めに同月分を支給したが、再び連絡が途絶えた。その後、支援団体からの連絡で市生活福祉課が把握し、未払い分を渡した直後に男性が入院。緊急手術をしたという。

 ホームレス支援団体「平塚パトロール」によると、男性は栄養失調で足にできた血栓のため壊疽(えそ)寸前になり、現在も治療を続けているという。

 市生活福祉課の川田安彦課長は「2カ月間保護費を渡せなかったことはケースワーカーの重大なミスで本当に申し訳ない。ただし、支給を止めるなどとは言っていない」としている。