75度以上の熱い海に生息か=全生物の祖先、38億年前? に―東京薬科大

地球上に現在生息する動植物や、大腸菌などの細菌、深海底の熱水噴出地点などに生息する古細菌の全てに共通する祖先は、75度以上の熱い海に生息していた可能性が高いことが分かった。
 東京薬科大と東京大の研究チームがほぼ全ての生物が持つ遺伝子を解析した成果で、生命の起源を探る手掛かりになると期待される。論文は18日以降に米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
 東京薬科大の赤沼哲史助教によると、この共通祖先の細菌に似た生物が生息していたのは38億年前ごろとみられ、熱い海に含まれる化学物質を利用して生きていたと考えられる。当時は大気中の酸素が乏しかった。
 地球が約45億5000万年前に形成された後、最初の生物は43億〜42億年前に出現した可能性があり、この共通祖先はその後進化してさまざまな遺伝子を備えた段階に当たるという。
 解析したのは「ヌクレオシド2リン酸キナーゼ」と呼ばれるたんぱく質を作る遺伝子。このたんぱく質は、リボ核酸(RNA)を構成する塩基の種類のバランスを整える働きがある。