死刑囚3人を証人尋問へ オウム・平田被告の裁判員裁判

オウム真理教の元幹部・平田信(まこと)被告(48)の裁判員裁判で、東京地裁(斉藤啓昭〈ひろあき〉裁判長)は17日、教団元幹部の死刑囚3人の証人尋問を公開の法廷で実施すると決めた。法務省によると、確認できる範囲で、死刑囚の証人尋問が拘置所以外で行われたのは過去1例しかなく、異例の措置となる。

 法務省によると、死刑囚への証人尋問は1999年以降、4回行われた。尋問場所は3回が拘置所、1回が公開の法廷。裁判員制度の導入後は初めてとなる。

 平田被告については現在、裁判前の争点整理手続きが進んでいる。地裁は年内の初公判を目指しているが、証人尋問の実施時期は未定だ。

 平田被告は2012年1月に逮捕された。いずれも1995年に起きた、東京・目黒公証役場事務長拉致事件(逮捕監禁罪)▽宗教学者の元自宅マンション爆破事件(爆発物取締罰則違反罪)▽教団施設に火炎瓶が投げつけられた事件(火炎瓶処罰法違反罪)――で起訴されている。

 地裁は今年3月、各事件の証人として、いずれも元教団幹部で、死刑が確定している井上嘉浩(よしひろ、43)▽中川智正(ともまさ、50)▽林(現姓・小池)泰男(55)の3死刑囚を尋問することを決定した。