フェイスブック、ハッシュタグを導入へ―ツイッターに追随

交流サイト(SNS)大手の米フェイスブックは、同社のネットワークへの投稿にハッシュタグ(「#」記号)を導入することを明らかにした。ライバルのツイッターに支配されているリアルタイムでの公開された投稿のやり取りにおいて、より大きな役割を担うことが狙い。

 同社によると、12日以降、「#」マークの付けられた言葉が含まれた投稿は、まとめて表示されるようになる。ユーザーはこれらのハッシュタグを検索したり、投稿にあるハッシュタグをクリックしたりすることで、会話を追跡できるようになる。これにより、ハッシュタグの含まれる投稿のリストが表示される。最初に友人からの投稿などといった最も関連性の高い投稿、続いて最新の一般公開されている投稿の順だ。

 フェイスブックのハッシュタグ担当製品マネジャー、グレッグ・リンドリー氏は同社ブログへの投稿で、「これまで、何が起こっているのか、何が話題になっているのかを大きな視点で簡単につかむ方法がなかった」、「ハッシュタグは、ある特定の話題に対する他の人の意見を知り、公の会話に加わるのをより容易にするための第1歩にすぎない」と述べた。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは、フェイスブックがハッシュタグ導入の試験を数カ月行っていると3月に報じていた。フェイスブックが2012年に買収した写真共有アプリケーションのインスタグラムは既にハッシュタグを導入している。だが、これまでフェイスブックではネットの世界で象徴的な意味を持つハッシュタグに何ら役割が与えられず、リアルタイムの出来事を楽に追跡できる方法がなかった。

 ツイッターの最大の特徴の1つであるハッシュタグの導入は、フェイスブックとツイッターとの競争の激化を浮き彫りにする。両社のサービスは非常に異なる形で始まった。フェイスブックは主に親しい友人とのやり取りに、一方のツイッターは公への発信に使われていた。しかし、フェイスブックは現在、ツイッターと同じ広告収入の獲得を目指している。リアルタイムで進行する公の会話を主導することができれば、フェイスブックがスーパーボウル(アメリカンフットボールの王者決定戦)やテレビ番組など、リアルタイムの出来事に関連する広告収入を得るのに役立つ可能性がある。

 フェイスブックは報道発表の中で、最近放送されたHBOのテレビ番組「ゲーム・オブ・スローンズ」の「Red Wedding」の回は520万人が視聴し、フェイスブックにおいて150万回の言及があったことを明らかにした。

 ツイッターの広報担当者はコメントを控えた。

 前出のリンドリー氏は投稿の中で、フェイスブックが向こう数カ月内に「流行のハッシュタグ」などといったハッシュタグ関連サービスを追加する見通しだと述べた。

 同氏によると、ハッシュタグを含む投稿が全て公開されるわけではない。ユーザーは投稿の閲覧者を選択することで、誰がハッシュタグを含む投稿を閲覧できるかを管理できる。