解体中のビル倒壊、死者6人に 米フィラデルフィア

20130606-00000009-jijp-000-2-view米東部ペンシルバニア州フィラデルフィアで5日、解体工事中のビルが倒壊して隣接する店舗を直撃し、当局によると、6人が死亡、13人ががれきの下敷きになるなどして負傷した。

フィラデルフィア市長は5日、女性5人と男性1人が死亡したと発表した。10人以上がまだがれきの下にいるとみられる。

当局によると、倒壊したビルは慈善団体の救世軍が運営するリサイクル店を直撃した。ある女性はがれきの中に2時間あまり閉じ込められながらも無事に救出され、比較的軽傷で済んだ。

店内にいた客などの数は分かっておらず、救急隊はまだ閉じ込められた人がいる可能性もあるとみて、夜を徹して捜索作業を続けた。

負傷して病院に運ばれた13人のうち、5人は同日午後までに退院した。

現場に居合わせた男性は、「揺れを感じて転ぶ人もいた。人々は悲鳴を上げて外に飛び出した。ビルの中にも人がいて、悲鳴が聞こえた」と事故発生当時の様子を語った。この男性は、通行人や現場作業員らとともに、がれきの下敷きになった人たちを助け出したという。

別の男性は倒壊したビルについて、「いつか崩れると思っていた」といい、現場の作業員らに毎日のように警告していたと話している。

警察はこの事故について「業務災害」と説明しており、米労働安全衛生局(OSHA)も報告を受けて調査に乗り出した。倒壊したビルについて、規制違反や苦情などの報告は入っていなかったという。

現場はフィラデルフィア中心部の繁華街で、近くにあるムター博物館は人気観光スポットになっている。同博物館は救出活動の拠点となり、当面の間休館すると発表した。