メルシャンがワイン800品目値上げ 出荷価格で3〜8%、他社も検討

キリンホールディングス傘下のメルシャンは5日、国産・輸入ワイン計約1000品目の大部分に当たる約800品目を、9月2日出荷分から出荷価格ベースで約3〜8%値上げすると発表した。世界的な需給逼迫(ひっぱく)による原料高などに加えて円安の長期化も見込まれるため、ユーロ高をうけ実施した2009年以来約4年ぶりの価格改定に踏み切る。

 値上げの対象は輸入約500品目、国産約300品目。原料果汁もふくめ純国産の製品など約200品目は据え置く。

 同社によると、欧州でここ数年続くブドウ不作や世界的なワイン需要の増加により、原料の濃縮還元果汁の価格が08年比で約5割高騰し、各国のワイナリーからの蔵出し価格も同約4割上昇。さらに昨年末からの円安も重なり、コスト吸収の努力が限界に達したとしている。

 ワインをめぐってはサントリーホールディングスやアサヒグループホールディングスも同様の値上げを検討しており、店頭価格の上昇が今秋以降相次ぐ可能性が出てきた。