追悼式典「祈りと誓いの集い」−池田小児童殺傷事件

追悼式典「祈りと誓いの集い」−池田小児童殺傷事件大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の乱入殺傷事件から8年を迎えた8日、同校で追悼式典「祈りと誓いの集い」が開かれた。出席した遺族や在校生、教職員ら約1500人は、犠牲になった児童8人の冥福を祈り、惨劇が二度と繰り返されぬよう学校での安全への取り組みを続けていくことを誓った。

 式典は旧正門脇にある、8人の名前が刻まれた「祈りと誓いの塔」の前で、午前9時から始まった。藤田大輔校長が「自分や友達、身近な人たちの安全を考え、ともにつくり上げていく人間に育ってほしい」と呼びかけた。6年の児童代表は「今以上に優しさがあふれ、笑顔の絶えない素晴らしい学校にしていきます」と誓った。

 同校では今年度、防犯や防災、交通安全などを学ぶ「安全科」の授業を週1時間、全学年で始めた。これまでも総合学習などで同種の授業を実施してきたが、系統だった教育を行うことで子どもたちが自分の身を守る力を育てる。また、テキストを作って、他校に参考にしてもらう。

 一方、大学側と、事件を目撃し心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された当時の児童2人の保護者との補償交渉が合意していたことがこれまでに判明。しかし、負傷した児童13人のうち軽傷の5人やPTSDの症状を訴える他の児童の側とは合意できていない。

大阪教育大付属池田小学校乱入殺傷事件

 01年6月8日午前10時過ぎ、宅間守元死刑囚が校内に乱入。1、2年の児童8人を刺殺し、児童13人と教師2人に重軽傷を負わせた。宅間元死刑囚は殺人、殺人未遂などの罪で起訴され、大阪地裁で死刑判決が確定。04年9月、刑が執行された。一方、犠牲になった児童の遺族や重傷の児童8人の保護者と大学側との補償交渉は03年6月、05年5月にそれぞれ合意している。
宅間守の生涯【死刑執行された宅間守】
大阪小学校児童殺傷事件 吉岡守(旧姓 宅間)